スシロー、社長の「ツイッター降臨」が意味する事 緊急事態こそ広報力・柔軟性が浮き彫りになる
回転寿司チェーン大手「スシロー」での迷惑行為を収めた動画が大騒動となった。金髪の少年がしょうゆの注ぎ口や席に置いてある湯飲みをさんざんなめ回した揚げ句、元の場所に戻す、あるいはレーンを回る寿司に指で唾液をつける……衝撃的なこの動画は瞬く間に拡散され、テレビでも連日報じられた。
この騒動が影響したのか、株価は騒動直前の3015円から2870円にまで下がった。時価総額にして約170億円が失われたのだ。だが、1週間あまりで株価は騒動前の水準を超えるまでに回復している。
なぜ、スシローはこの難局を短期間で乗り切れたのか。広報PRの観点から3点、重要なポイントを指摘したい。
騒動を受けスシローは迅速に対応
まず、今回のスシローの対応を振り返っておきたい。騒動を受けて、スシローの対応は素早かった。動画が拡散しはじめた2日後には「SNSで拡散されたスシロー店舗での迷惑行為に関するお知らせ」と題したプレスリリースを、会社HPの「NEWS」に発表。問題が起きた店舗名、消毒などの対応策、さらに再発防止のために少年に対し「毅然とした対応」を行うことを宣言した。
一方、インフルエンサーが「#スシローを救いたい」のハッシュタグで、応援投稿を呼びかけるという動きも起きる。このハッシュタグは、トレンド入りするほど広がった。この状況を受けて、スシローの公式ツイッターが反応。あきんどスシロー・新居耕平社長からの謝辞が投稿された。
「#スシローを救いたい 沢山の応援の声をいただき 大変ありがとうございます。涙がでるぐらい感謝の気持ちでいっぱいです。うまい寿司を安心して ご提供するために 我々が出来る お客様に精一杯を 実施していきます」(改行をスペースに置換)
この投稿から1週間。メッセージには44万以上の「いいね」が付き、7万を超える「リツイート」がされている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら