頭上には、チベットの五色幕であるタルチョが風に揺れていた。青、白、赤、緑、黄の5色が、ブッダの教えを象徴している。
青は落ち着いた心、黄は何事にも動じない心、赤は常に精進する心、白は清らかな心、黒は堪え忍ぶ心を意味するという。
タルチョは寺院や山の頂上に設置され、風に乗って教えが広がることを祈っている。カザの街にも、この風がチベット仏教の教えを運んでいるのだろう。
「最果ての村」ピンバレーへ
「ごっつさん、これからどこに行くか決めてます?」
カナさんが静かに問いかけた。
「いや、特に考えていないわ。おすすめの場所ある?」
「じゃあ、ピンバレーに行ってみませんか? スピティで最も奥深くにある村です」
「最果ての村か。面白そう」
こうして、二人はスピティバレーの最奥地にあるピンバレーへ向かうことになった。
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