東京エレクトロン「統合白紙」でも強気のワケ

経営陣は「単独でも成果を上げる」と強調

総会では、アプライド社との統合に期待していた株主から、統合解消に対する落胆の声も聞かれた

半導体製造装置の前工程で世界シェア3位の東京エレクトロン。同業トップである米アプライドマテリアルズ社(以下、アプライド社)との経営統合を断念すると4月末に発表した。その発表後では初めてとなる株主総会を6月19日に開催。関東地方が梅雨雲に覆われ小雨がぱらつく中、ホテルオークラ(東京・港区)で10時から開催された総会には、昨年比63人減となる343人の株主が来場した。株主と経営陣との質疑応答では、統合白紙への落胆や、今後の両社の関係悪化に対する懸念の声なども出た。

総会に議長役として登壇したのは、東(ひがし)哲郎会長兼社長CEOだ。2015年3月期の業績報告を一通り説明した後、アプライド社との経営統合を断念した経緯を説明。従来から発表していたとおり、「独占禁止法に関する米司法当局との認識の溝が埋まらなかった」と繰り返した。

また、東社長は同時に、東京エレクトロン単独での今後の成長への取り組みについても説明した。

市場が拡大すれば、ROE20%まで高める

半導体の性能を向上させる微細化技術においては、「従来方式の延長から異種技術の複合化技術への転換が起きていたり、新型のメモリの量産期を迎えるなど、半導体技術がかつてない大きな変換点に立っている」とし、自社単独の技術力でこれらに対応し、シェアを拡大していくことに自信をみせた。

また半導体市場全体については、IoT(インターネット・オブ・シングス、モノのインターネット)化によって、ネットワークに接続する機器が2014年の145億台から、2020年には500億台に拡大することや、世界のデータ通信量が年成長率で21%増、2018年に1.6ゼタバイトまで拡大する、という予測も紹介した。

2014年の半導体前工程の製造装置市場は320億ドル。同社は今後シリコンサイクルにより、市場規模が増減することはありえるとしながらも、市場が300億ドル(3兆6000億円)と反動減の時期には、営業利益率20%、ROE15%を維持し、370億ドル(4兆4000億円)と市場が拡大すれば、営業利益率25%、ROE20%まで高める、という方向性を示した。

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