シャープ"延命策"には課題が山積している

ニューマネーの不足が決定的

会見後、記者に囲まれるシャープの高橋興三社長(写真:ロイター/アフロ)

年初来安値更新――。これが5月14日に新中期経営計画を発表したシャープに突きつけた、株式市場の評価だった。

シャープは2015年3月期決算で連結営業損益が480億円の赤字、連結当期純損益が2223億円の赤字となっため、2014年3月期末時点で2071億円あった純資産が全額飛び、債務超過転落の可能性もあった。

単体決算は59億円の債務超過

だが、為替換算調整や退職給付調整といった包括利益部分が580億円弱改善したため、連結純資産は445億円と、何とか債務超過転落は回避した。しかし単体の状況はより深刻で59億円の債務超過である。

シャープは3500人の希望退職やカンパニー制度への移行、成長分野への資源集中などにより、営業利益を今期(2016年3月期)で800億円、2018年3月期で1200億円とする計画を立てているが、「不採算事業の縮小策が踏み込み不足、成長シナリオが十分に示されていない」といった指摘が専門家から出ている。

中でも今期計画については、480億円の赤字だった営業損益を800億円の黒字へと、実に1280億円も改善させる計画でありながら、その内訳を見る限り、実現可能性を信じられる内容とは言いがたいものなのだ。

次ページ前期の赤字の要因は?
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 角田陽一郎のMovingStudies
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグストア飽和」打破の勝算
ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグストア飽和」打破の勝算
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
企業同士の取引で「値上げラッシュ」が起きている
企業同士の取引で「値上げラッシュ」が起きている
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「非財務」で生きる会社、死ぬ<br>会社 企業価値の新常識

今や株価を決める最大の要因は「非財務情報」というのが世界の常識に。優れた開示を行えば企業価値の向上につながる一方で、開示が不十分だと株を売られるリスクも。企業価値の新常識をめぐる混乱とその対処法に迫りました。

東洋経済education×ICT