家電量販店の掃除機コーナー。ここ10年ほどで、売り場が様変わりしている。以前はキャニスター型、スティック型などがほとんどだったところに、円盤型の「ロボット掃除機」が幅を利かせるようになった。
言わずと知れたロボット掃除機の先駆けは、アメリカのアイロボット社が製造している「ルンバ」だ。日本では2004年に販売が開始され、2013年には国内出荷台数100万台を突破した。
「掃除機の世界はルンバに任せればいい」
これに続いてロボット掃除機市場に参入したのが、東芝やシャープといった日本メーカーだ。シャープの「ココロボ」は「ツンデレ妹キャラ」のおしゃべり機能を付加、パナソニックの「ルーロ」は形状を三角形にするなど、各社とも特徴を出そうとしている。
これに対し夏野氏は、「情けないことだ。もう掃除機の世界はルンバに任せておけばいいじゃないか。むしろ洗濯機とか、浴室乾燥機とか、ほかのところでAI(人工知能)をどんどんやったらどうなのか」と嘆く。
加えて夏野氏は、アイロボット社が新興企業である点を指摘する。「東芝やシャープのような大きな企業がつぶすようなことをしなくても。ルンバのほうが可愛いんだから、ここで戦っても仕方ない」。現にルンバの人気は、日本メーカーが続々参入してきた今年に入っても衰えていない。
AIを使えば生活はもっと便利になるはずだが、それがなされていない分野がまだまだあると夏野氏は語る。「成功者が出てきたときに、それに追随することは必要かもしれないが、みんなで寄ってたかってやる必要もないだろう。そもそも、証明された市場を後追いするだけじゃ面白くない。日本メーカーにも、まだ世の中にないものを作ってほしい」。
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