先行き不安の高まりによる住宅需要の縮小は、これまで市況が相対的に堅調だった「一級都市」と呼ばれる北京、上海、広州、深圳の4大都市でも顕著になりつつある。
例えば深圳市は、(不動産投機を抑制するために)住宅購入者に課していた一定期間以上の在住年数や個人所得税・社会保険料の納付記録などの条件を2月に廃止した。北京市は(郊外の南東部に位置する)通州区の住宅購入制限を一部緩和し、上海市は外郭環状道路の外側の地域で単身者に対する住宅取得制限を撤廃した。
住宅取得制限緩和の効果見えず
にもかかわらず、2月の販売データからは一級都市の住宅取得制限緩和の効果が見えない。深圳、北京、上海のいずれでも、同月の新築住宅の成約面積は前年同月比6割を超える減少を記録した。
そんななか、中国政府は不動産市場をテコ入れするための追加支援策を繰り出している。2月20日には、中国人民銀行(中央銀行)が最優遇貸出金利の指標であるローンプライムレートを引き下げ、期間5年以上の貸出金利がこれまでより0.25ポイント低い3.95%になった。
市場関係者の多くは、3月5日に開幕する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)を経て、より有効な政策が需要と供給の両面から発動されるかどうかに注目している。一級都市の住宅取得制限のさらなる緩和や、(省都クラスの)二級都市以下の住宅取得制限の完全撤廃などが予想されている。
(財新記者:牛牧江曲)
※原文の配信は2月29日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら