本質を問う「Why型質問」が苦手な日本人の大問題 当たり前の質問で課題の深層に切り込む

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

実は職場での何気ない「質問」にもWhat型の質問とWhy型の質問の2通りがあるのです。

まずWhat型の質問とは、文字通り「○○って何ですか?」とか、「○○ってどこにありますか?」、あるいは「××さんて誰ですか?」といった、正解があってそれがたいていの場合簡単な名詞か短文で答えられる、言い換えれば選択式のクイズにできるような質問のことです。

What型の質問とWhy型の質問の違い

厳密に言えば2番目の質問の疑問詞はWhere、3番目の質問の疑問詞はWhoとなりますが、これらは全て「What型の質問」ということにします。

続いてWhy型というのは「どうしてこうなっているのか?」とか「なぜそういう計画なのか?」といった、文字通り「なぜ?」という理由や背景を問う質問のことです。

ここで、先ほどの「今だけしかできない質問」とはこれら2つのうち、どちらの質問か考えてみてください。明らかにWhat型の質問であることがわかるでしょう。

「経費の承認は誰に申請すればいいんですか?」とか「うちの会社ってどこに工場があるんですか?」といった質問は、確かに入社して5年もしてからしたら恥ずかしい質問と言えるでしょう。

つまり、OJTの世界で暗黙のうちに想定しているのはWhat型の質問ということなのです。

これまでの日本の会社(あるいはビジネスに限らず社会全般)では「なぜ?」と聞くこと、つまりWhy型の質問はあまり歓迎されませんでした。たとえば先輩からの仕事の指示に対して(たとえそれが単純に「理由を聞きたい」だけだったとしても)「なぜこれをやる必要があるんですか?」などと言えば、「つべこべ言わずにとにかくやれ!」ということになったでしょう。これ以外でもとかく「なぜ?」という質問はいい大人がすると煙たがられる質問でした。

ところが今求められているのがまさにこの「なぜ?」という質問なのです。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事