「AIカメラ」が切り拓く、スポーツの新たな明日 100人が見る試合を1万試合配信も
つまり、映像化されていない試合は、この4競技だけでも70万試合以上はあるように思います。もちろん、プロの試合のように誰もが知っている選手が出ているわけでもなく、試合を見たいという需要自体は低いでしょう。
でも、その試合に出ている選手にとっては1試合1試合が映像として残るのならすごく嬉しいことだと思いますし、また現地観戦できなかった家族や関係者にとっては、なんとしても見たい試合もあるでしょう(私自身も、子どもが通う少年野球チームの指導者をしているのですが、フィードバックするために毎試合ビデオカメラで撮影しています。試合前は指導もあるので、バタバタしてしまうことが多く、撮影を失敗した経験も数知れず……)。
このように日本には、小規模とはいえ映像化を望まれながらも配信されていないスポーツの試合が、まだまだ数多く眠っています。そういった試合を埋没させないためにも、われわれの会社では「100万人が見る試合を1試合放送するのではなく、100人が見る試合を1万試合配信する」というテーマを掲げ、アマチュアスポーツの秘めたる力を掘り起こし、それを通して社会や人の繋がりを増やしていきたいと思っています。
スポーツ用のAIカメラ、その特性と可能性
スポーツの試合をライブ配信する際には、撮影の経費や人手、あるいは専門性を持った人材の確保などさまざまな障壁が浮かびあがります。いったいどうやって「1万試合の配信」を実現するのか? 前置きがかなり長くなりましたが、それを実現する大きな武器となるのが、スポーツ用のAIカメラです。
われわれNTTSportictが扱っているAIカメラは、2013年にイスラエルで設立されたPixellot(ピクセロット)社製のものです。世界80カ国で利用されていて、現在3万5000以上もの施設にAIカメラが設置されています。世界全体でみると、毎月15万以上もの試合がライブ配信されており、これまで延べ455万もの試合が配信されました。その数は今後もさらに増えていくでしょう。
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