「AIカメラ」が切り拓く、スポーツの新たな明日 100人が見る試合を1万試合配信も
ではいったいどんな特性を持っているのか?現在AIカメラは、野球、サッカー、バスケットボール、ハンドボールなど16種類のスポーツに対応しているのですが、ここでその詳細をご紹介します。
AIが自動で映像編集
《仕組み》AIカメラ「S1」には別々の方向を向いた4つのカメラレンズがついており、グラウンドを4等分して撮影します。それを独自の映像処理端末を介して、いったんグラウンド全体が入ったパノラマ映像を生成。そのパノラマ映像から「人の動き・ボールの位置・スポーツごとのルール」を理解したAIが自動で【適度なサイズ(いわゆるテレビ中継的なサイズ)】に映像編集してくれます(S3は昨年リリースされた最新機で、解像度などがスケールアップした機種です)。
《強み》サッカーやバスケットボール、バレーボールなどの球技で、プロのカメラマンが状況に応じてカメラを左右に振って撮ったような映像(全体がわかる俯瞰映像)を無人で撮影できる点です。AIカメラは試合のなかで常に動き回っている人やボールを追いかけながら、何のゲームか、どんなルールかをきちんと理解しています。
例えばサッカーであれば、発生したプレーがコーナーキックなのかペナルティキックなのかを独自のAIアルゴリズムで判断。この判断に基づいて、全体のパノラマ映像から最適な映像フレーム(画角)を切り取るので、試合映像を見ている人はカメラマンが撮影しているかのように見えてしまいます。事前設定するだけでライブ配信も簡単にできるのも大きなメリットです。
また、フィールド全体が収まったパノラマ映像(サッカーの場合は、両チームのゴールマウスが常に入った状態)も同時に保存されるため、プレーに直接関与していない選手の動き、フォーメーションの確認など、試合はもちろん、練習のフィードバック素材としても大きく貢献してくれます。
《課題》選手の表情(顔のアップ)までは映し出せないところです。ゴールを決めて喜ぶ選手、惜しいプレーをして悔しがる選手の表情などはスポーツ中継の醍醐味の一つです。ただ、課題となっている選手の「アップ映像」に関しては、新たなAIの仕組みを構築して、ボール保持者のアップ映像を常に撮り続けられるような撮影方法も検証中です(乞うご期待!)。
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