しかも日本の場合、1974年から合計特殊出生率が恒常的に、国際連合で規定されている人口置換水準である2.1を下回っています。つまり少子化と呼ばれる状況になってから、かれこれ40年も経過しています。結果、一人っ子の数も相当数に上ります。
もし一人っ子同士で結婚した場合、夫婦それぞれの両親が健在で、かつ両家ともに妻が夫を看取ったとしても、最低で2回は、親の介護をどうするかという問題に直面することになります。
ましてや独身の子供であれば、親が要介護状態になり、施設に入れられるだけの経済的なゆとりがなかったら、嫌でも自分が面倒を見なければならなくなります。
介護は遅くとも「40代の終盤」で真剣に考えたい
2013年7月に総務省が発表した「就業構造基本調査」によると、無職で介護をしている人は266万人。一方、介護をしながら働いている人の数は290万人にも上りました。なかには介護負担があまりにも重くなり、「介護離職」をせざるを得なくなった人もいます。
厚生労働省の「雇用動向調査」によると、平成24年の離職者数は約672.9万人で、このうち個人的な理由で離職した人の数は約467.5万人。このうち介護を理由に離職した人の数は約6.6万人でした。
ちなみに、年齢別に介護離職した人の割合を見ると、男女ともに55~59歳が最も多くなっています。したがって、できれば自分が40代になったら、遅くとも50歳目前になったら、親の介護のことを真剣に考えておく必要があります。
正直、もし介護離職という状況に追い込まれたら、今度は自分自身の老後が危うくなりかねません。その意味でも、経済的なゆとりがあるなら、親の介護は自分で100%背負うということはあきらめ、できるだけ施設に任せることをお勧めします。それだけの経済的な余裕を身に付けるためにも、資産形成はしっかり行っておく必要があります。
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