瀬戸内海に目をつけ、お城に船入(ふないり:港)を設けて、直接海に出られるようにしました。現在も、今治港として港の役割を担っています。
お城には瀬戸内海から海水が引き込まれていて、クロダイやフグ、ヒラメなど海の魚が泳いでいます。潮の満ち引きによってお城の水位が変わるのも面白いです。ほかにも、石垣には牡蠣の痕跡が見られる石があるなど、随所に「海」を感じられるお城です。
「春の雲海」の正体
今治城は瀬戸内海に面した「海城」ですが、これが霧の多い理由です。
瀬戸内海は陸地に囲まれているので、霧のもととなる水蒸気を多く含んだ、湿った空気が溜まりやすいのです。そのため濃い霧が出やすく、霧が長い時間続く傾向があります。
霧は、湿った空気中の水蒸気が水滴に変わって発生します。水蒸気のときは目に見えませんが、たくさんの水滴になると白く見えるようになるのです。
発生する霧は2種類
瀬戸内海で発生しやすい霧は、主に2種類あります。
1つは、暖かい空気が冷たい海上に流れこみ、冷たい水に冷やされて空気中の水蒸気が水滴に変化することで発生する「移流霧(いりゅうぎり)」です。「海霧(うみぎり、かいむ)」ともいいます。
もう1つは、性質が違う空気がぶつかる前線の近くで、湿った暖かい空気が冷たい空気に冷やされることによって水蒸気から水滴に変わる「前線霧」です。
瀬戸内海で霧が出やすいのは、3月から7月にかけてです。霧の発生日数は、春先から一気に増え、梅雨明けとともに急激に減ります。
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