重度障害者を支える元パナ技術者開発のスイッチ 「アメリカ製品の廃番」の危機を受けて製品化

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太田メリサさん

意思伝達装置を通して会話する太田メリサさん。スムーズなやりとりができる(記者撮影)

いつしか社会にとって、不可欠な存在となったスマートフォンやパソコン。事故や病気で重い障害を負い、寝たきりとなった人にとって、こうした機器の直接的な操作は難しい。そこで代替の手段としてよく用いられるのが、押しボタン式の入力スイッチだ。

兵庫県明石市に住む小学1年生の太田メリサさん(7歳)。生後6カ月ごろの時、脊髄性筋萎縮症(SMA)を発症した。10万人に1~2人の有病率とされ、全身の運動能力が徐々に低下していく難病だ。

メリサさんは支え無しで座ることができない。さらに人工呼吸器を補助的に装着しており、声も出しにくい。

スイッチの操作でYouTubeやLINEも

「お名前は?」「めりさです」「好きな色は?」「ぴんく」――。自宅を訪問した記者の問いかけに、ベッドに寝たままのメリサさんが、意思伝達装置を通してよどみなく返事していく。

取材中に「といれ」と装置で記し、家族を呼ぶ場面も。さらにiPadでYouTubeを開き、お気に入りだという料理の動画も教えてくれた。学習支援のアプリでひらがなの勉強をしたり、LINEで友人にメッセージを送ったりするところも見せてくれた。

アクセスエール製のハーフスイッチ
メリサさんは右手親指で「ハーフスイッチ」を操作する(記者撮影)

これらすべてを、メリサさんは右手親指の下に固定した「ハーフスイッチ」1つで操作している。このスイッチを造ったのが、福祉機器を手がける大阪府茨木市のベンチャー企業「アクセスエール」だ。

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