しばらく道を進むと急に車のスピードが落ち、止まった。運転手が助手席の男と何やら話している。
何があったかと注意して前方を見ると、道が崩れ、川の水がその上を流れている。
道の一部が突如、消えてしまったのだ。
おそらく豪雨が降り、川が増水してしまったのだろう。
山の天気は女性の感情のように変わりやすいと聞いていたが、ヒマラヤの大自然は機嫌が悪いと、いとも簡単に人間の作った創造物を破壊するらしい。
ヒンドゥーの女神の気性の激しさ
なぜか、インドの神様ガネーシャの由来を思い出した。
破壊と創造の神シヴァの妻パールヴァティーは、とても心優しい女神様。
ある日、彼女はお風呂に入るため、息子ガネーシャに玄関の番をさせた。その間にシヴァ神が帰宅するのだが、ガネーシャはシヴァを知らず、家に入ることを拒んだ。
これに怒ったシヴァはガネーシャの頭を切り落としてしまう。 パールヴァティーはこれを知ると激怒し、シヴァに息子を元通りにするよう要求する。妻の怒りは凄まじく、もしシヴァが言うことを聞かなければ、「世界を破壊する」と脅す。
シヴァは彼女の怒りを静めるため、一番初めに出会った象の頭を持ってきてガネーシャを蘇らせたのだ。
我々がよく知る、人間の身体に象の頭をもった神、ガネーシャの誕生秘話である。
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