サッポロ社長「3Dは買収家のスティールと違う」 独占取材に「ビール特化方針」の理由を語る

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岡村さんも実際に会って話をしてみると、貢献していただけるかなと。投資家であり、ご家族3代でサッポロファンというご自身のキャラクターもあり、われわれの議論に加わっていただけることになった。

松風 3Dから別の方も提案されたが、お断りしたケースもある。実際に会って話をして決めている。

*2023年9月に設置された「グループ戦略検討委員会」は、社外有識者を含むメンバーで中長期的な経営方針を検討し、そこでの議論が今回の中長期経営方針の土台となった。

筆頭株主でも話に従うわけではない

──3Dが筆頭株主となりました。彼らの主張をどう受け止めていますか。

尾賀 資本効率が悪い、収益性が低いのはその通り。しかし筆頭株主といえども、意見交換はするが話に従うというのは違う。

サッポロ尾賀社長
おが・まさき/1958年生まれ。1982年にサッポロビール入社。2006年に首都圏本部東京統括支社長、2009年に執行役員北海道本部長、2013年にサッポロビール代表取締役社長。サッポロHD取締役兼グループ執行役員を経て、2017年からサッポロHD代表取締役社長。2022年からはサッポロ不動産開発取締役も兼務(撮影:今井康一)

──資本効率を重視してこなかったのは、やはり不動産が下支えしてきたからですか。

日本の会社が全体的にそうだったのではないか。われわれはビールで金額(売り上げ)よりも箱数(数量)で考えることが染みついている。ジャンルが複雑になる中でもぬぐい切れなかった。株式市場や資本市場に対する意識が薄かったことは事実だと思う。

──これからの改革で、OBからの意見も出てきそうです。

いろいろな方がいらっしゃるので、結論によっては怒鳴り込んでくるOBがいないとは限らない。10年先、30年先にこの会社がどうなりたいのか、それが正しいのかを考えて結論を出すべきだ。軋轢を乗り越えてでもそれをやることが正しいのかも考えていく。

(外部から)おもしろおかしく言われたり書かれたりするのは嫌だ。だから決まってから、しっかり話したい。

田口 遥 東洋経済 記者

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たぐち はるか / Haruka Taguchi

飲料・食品業界を担当。岩手県花巻市出身。上智大学外国語学部フランス語学科卒業、京都大学大学院教育学研究科修了。教育格差や社会保障に関心。映画とお酒が好き。

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前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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