ハリセンにおでん芸…令和のテレビから消えた物 ドラマ『不適切にもほどがある!』を契機に考える
ドラマは1986年に生きる阿部演じる主人公の教師が、現代にタイムスリップする物語。第1話で描かれる1986年では、阿部が女性に「初体験は?」と聞くセクハラ発言や、生徒の尻をバットで叩く体罰シーンも登場。まさに現代では“不適切”なことばかり……。
「その一方で、現代では磯村勇斗さん演じるサラリーマンが、部下の女性に“頑張れ”と声をかけただけでパワハラ認定されるなど、そのいびつな社会構造についても皮肉たっぷりに描かれています」
テレビから“消えた”シーン
昭和から平成初期は、テレビ全盛の時代だった。しかし、当時の常識が今の非常識になっている。令和になってテレビでは見なくなったシーンは─。
「一番に思い浮かぶのはお色気ですね。具体的に言えば“女性のチクビ”でしょう」
そう説明するのは、テレビ朝日でニュース番組や情報番組などを手がけ、現在はフリーのテレビプロデューサーとして活躍する鎮目博道氏だ。
「“チクビの力”は本当にすごかった。ポロリが出た瞬間、視聴率がドーンと跳ね上がる。女性が水着で登場する水泳大会とか、ドラマに謎の入浴シーンがあったり。昭和のテレビ番組では、必ずチクビを出す工夫をしていました」
エロから社会問題まで取り扱った『11PM』(日本テレビ系)や『トゥナイト』(テレビ朝日系)といった情報番組から、セクシー番組『ギルガメッシュないと』(テレビ東京系)など、女性の胸が露出する深夜番組もあった。なぜ消えたのか。