上海株、「年初来60%上昇」のカラクリ

"クジラ"が相場を支えている?

個人が不動産から株へと資金をシフトしているとの見方もある(写真:Imaginechina/アフロ)

中国株のラリー(上昇)が止まらない。上海総合指数は6月10日の取引時間中、5164ポイントまで値上がりした。今年に入ってからの上昇率は約60%。世界の主要市場で突出している。

日本株相場も底堅く推移しているが、それでも日経平均株価の同期間の上昇率は約15%にとどまる。米国株は利上げ観測の高まりなどを背景に足踏み状態。ニューヨークダウは2014年末の水準を下回って推移し、中国株の値動きとは対照的だ。

景気減速でも株価は上昇

中国株は「流動性相場」(大和証券の山田雪乃シニアストラテジスト)の色合いが濃い。同国景気をめぐっては減速感が台頭。今年1~3月期、実質国内総生産(GDP)の伸び率は前年同期比7.0%と、6年ぶりの低水準になった。

景気減速下、中央銀行である中国人民銀行は2014年11月以降、市中銀行に求める預金準備率の引き下げや基準金利下げなど、景気刺激策を立て続けに実施した。金融緩和で生み出された過剰流動性が株高をもたらしているのだ。

資本市場の開放に向けた取り組みも、株価上昇を後押しする。2014年11月から上海と香港市場の株式相互取引が始まり、海外投資家が香港経由で、上海上場の中国株の売買をできるようになった。

従来は「適格国外機関投資家(QFII)」と呼ばれる金融機関のみに投資を認めていたが、現在は機関投資家だけでなく個人投資家でも香港市場を通して取引が可能。7月から中国と香港の証券当局は、株や債券など、証券投資ファンドの相互販売解禁にも踏み切る見通しだ。

次ページレジームチェンジに個人も便乗
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 「非会社員」の知られざる稼ぎ方
  • ほしいのは「つかれない家族」
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 日本資本主義の父 渋沢栄一とは何者か
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
三菱重工と日立 「統合」破談から<br>10年 製造立国の岐路

10年前に統合構想が破談になった三菱重工業と日立製作所。その後両社は対照的な道を歩み、2009年に伯仲していた時価総額は今や日立が大きく上回っています。本特集では明暗が分かれた三菱重工と日立を主軸に、製造立国・日本の生きる道を探りました。

東洋経済education×ICT