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自社の"いちばんの強み"を無料で開放すべき理由 ドリームインキュベータ 三宅孝之社長インタビュー

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ゼロからビジネスモデルを築き上げるための要諦とは何か。

ドリームインキュベータ社長 三宅孝之氏
三宅孝之(みやけ・たかゆき)/ドリームインキュベータ社長。1970年生まれ。95年京都大学大学院工学研究科修了、通産省入省。A.T.カーニーを経て、2004年ドリームインキュベータ入社。マネジャーや取締役を歴任し、21年6月から現職(撮影:今井康一)

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ビジネスモデルを紹介する本や記事は数あれど、体系的に分析した事例はほとんどない。
『週刊東洋経済』2月24日 特大号の特集は「もうけの仕組み 2024年版」だ。四季報記者がユニークなビジネスモデルの会社を解説するとともに、上場企業400社を独自分析した。
週刊東洋経済 2024年2/24特大号(もうけの仕組み ─2024年版─)[雑誌]
『週刊東洋経済 2024年2/24特大号(もうけの仕組み ─2024年版─)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

デジタル化や脱炭素、生成AI(人工知能)の台頭など、時代の変化に対応するべく、多くの企業が新規事業に挑戦している。ゼロからビジネスモデルを築き上げるための要諦は何か。新規事業の創出に強いコンサルティング会社、ドリームインキュベータの三宅孝之社長に聞いた。

 

──ビジネスモデルをつくる際のポイントを教えてください。

もうからなくても世の中の役に立つ「フック」と、もうけの仕掛けである「回収エンジン」を意識することが大切だ。例えば、米グーグルは検索エンジンやGメール、ユーチューブなどのサービスを無償で提供している。集客力の大きいこれらのフックと、広告という回収エンジンを組み合わせている。

昔から多くの企業が用いてきた

実はこのモデルは、昔から多くの企業が用いてきたものだ。米アップルはフックとして、大学でパソコンとネットワーク環境を配布し、社会人になった元学生たちによる製品の購入を回収エンジンとしていた。松下電工(現パナソニック)も、電気工事士の研修で教科書や工具を配布し、独り立ち後の自社製品の購入につなげていた。

オリンパスは、世界中の医学部生に自社製の内視鏡の使い方を教えるというフックを用いて、世界シェア70%を達成している。ほかには、資生堂による高校生へのメイク講習もフックの好例だ。

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