「ストロング系」サッポロが競合2社に負けた理由 サントリーとキリンが2強、檸檬堂の登場も影響か
2004年からRTD市場に参入するも、ヒット商品を出せずに、2007年に一時撤退。その後、2010年に「不二家ネクター」とコラボした「ネクターサワースパークリングピーチ」、2013年にはノーベル製菓のキャンディー「男梅」とコラボした「男梅サワー」がヒットを記録した。
後者は当初、数量限定の発売だったが、わずか2週間で完売したため、すぐさま通年商品となる(ちなみに、このときのアルコール度数は5%だった)。
そして、2018年には本格的に「ストロング系」市場に進出。アルコール度数9%の「99.99(フォーナイン)」は、発売から3カ月で200万ケースという、同社の史上最速記録を樹立した。
だが、その後は伸び悩んだようだ。この商品は、従来のストロング系とは異なる「苦み」や「辛口」が売りだったのだが、言い換えると「甘くない」ので一気に飲みにくかったのだ。その結果、「早く出来上がりたい」大人たちのニーズを満たすことができなかった。
とくにクリアレモン味は苦味が強く、次第にインターネット上で「アルコール度数9%の水」と揶揄されるようになった。
かく言う筆者も、以前の記事でも紹介したように、アイスクリームコーナーにある森永製菓の「アイスボックス」に入れて「ジュース」のように飲んでいたくらいだ。
さまざまな商品を発売するサッポロ、12%の商品も…
さらに、2019年4月には、レモンサワーに特化した「レモン・ザ・リッチ」を発売。10月には好みの量の炭酸水で割るだけで、まるで居酒屋で提供されるレモンサワーのような味になる「濃いめのレモンサワーの素」を発表。
後者は2021年からは缶(RTD)でも発売されるようになる(ちなみに、同社はこの年にアルコール度数12%と強炭酸を混ぜ合わせた「マグナム レモン」という”凶悪”な代物も世に出しているのだが、多分誰も覚えていない)。
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