公認会計士が「監査業務から離れる」根本的な原因 中小型銘柄が「監査難民化」の危険に陥る背景

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(写真:Graphs / PIXTA)

準大手監査法人の筆頭格である太陽監査法人が昨年12月、金融庁から業務改善命令を受けた。太陽監査法人は、指紋認証ユニットメーカーで、東京証券取引所グロース市場に上場していたDDS(2023年8月上場廃止)の監査を担当。その監査に重大な不備があったことが理由だ。

太陽は近年、監査先を大きく増やしており、急拡大によるひずみが不祥事の原因とされている。4大監査法人が中小型の上場銘柄の監査業務を一斉に縮小し、その受け皿としての役割を担わざるをえなくなったのだ。

上場会社は会計監査をしてくれる監査法人が付かなければ上場廃止になってしまう。太陽は意図して、かつ戦略的に4大監査法人からクライアントを奪ったのではない。4大監査法人から監査契約更新を拒絶され、駆け込んできた上場会社を受け入れたにすぎない。

4大監査法人は中小型銘柄を中心に、2018年頃から上場会社監査を縮小している。ほんの5年ほど前までは全上場会社の7割を4大監査法人が担当していたのに、今や6割を切っている。

4大監査法人が上場会社監査を縮小の背景

それではなぜ4大監査法人は上場会社監査を縮小しているのか。第1の理由は報酬が低いから。日本の4大監査法人は世界4大会計事務所の本部とライセンス契約を結び、巨額のブランド使用料やシステム使用料を本部に支払っている。

一方、日本の監査報酬の水準は欧米に比べて総じて低い。多額の投資に見合わない監査報酬しかとれない監査先から撤退するインセンティブが働きやすい。

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