災害時ペットと避難するために今準備できること 飼い主に求められるしつけやケア、グッズとは
いまや同行避難は、ペットの飼い主を中心に、広く浸透している。だが、いざというとき、実際に同行避難するためには、やはり日頃の準備が欠かせない。
まず、自宅の近くでペットとの同行避難が可能な避難所はどこなのか、地元自治体の防災計画や動物愛護管理推進計画などを確認しておく必要がある。
そのうえで、実際にペットを連れて、その避難所まで行ってみよう。
犬ならリードにつないで一緒に歩いて行けるかもしれないが、猫やウサギ、鳥など、キャリーケースに入れなければ運べない動物では、そこまで持ち運べるかどうか、体力が試される。
とくに複数のペットを飼育していれば、連れて行くことが物理的に可能かどうかは、深刻な問題になる可能性がある。
また、留守がちな家庭では、近所の人にペットの存在を周知しておくのも1つの手だ。
発災時にどこまで頼れるかは未知数だが、家屋が倒壊したり、火災が発生したりした場合、屋内にペットがいることを近所の人たちが知っているかどうかは、少なからずその後の対応に影響するはずだ。
「逃げ出すのを見た」などの目撃証言を得られるだけでも、飼い主として何をすべきか変わってくる。
避難所生活に備えてしつけはできているか
次に、ペットのための備蓄を考えよう。
おやつを含むフードや水、トイレ用品については、それぞれ7日分程度は備えておく。リードや食器、タオル、ワクチン接種状況などがわかる書類、おもちゃなどもひとまとめにしておけば、慌てなくて済む。
人間用の防災セットを準備している家庭は多いから、それらと同じ場所に保管しておくのがいいだろう。最近では、ペット用の折りたたみ可能なサークルやテントが販売されていたりもする。持っていると、避難先での選択肢は確実に増える。
普段のしつけやケアも重要だ。避難所には動物が嫌いな人、動物アレルギーの人がいることを想定しなければいけない。
犬や猫などはまず、ケージやキャリーケースに慣らしておくべきだ。キャリーに入れられなければ、そもそも同行避難もままならない。
また犬であれば、無駄吠えやかみ癖などをなおしておきたいところ。避難所でトラブルのもとになる。
同様に、犬猫ともに不妊・去勢手術は済ませておいたほうがいい。避難所に、不妊手術をしていない発情期のメスがいれば、去勢手術をしていないオスの興奮はおさえられない。
定期的なワクチン接種を欠かさず、感染症予防を徹底しておくのも飼い主として当然だ。さらに、日頃からブラッシングや爪切りなどを欠かさず、衛生的にしておくことも最低限のマナーと言える。