「解雇される自分」をTikTokでシェアする人の流儀 Zとミレニアルの世代がリストラに出会うとき
そうした動画には、泣きながら人事担当者と話したり、予定に入れられた謎のアポイントメントがおそらく解雇を告げるためのものであることを知りながら日々を過ごしたりする人々の様子が映し出されている。
こうしたトレンドは、Z世代やミレニアル世代が原動力となっている、日常のあらゆることをソーシャルメディアで共有しようとする動きの一部だとキャリア専門家たちはみる。
リモート増加で会社と従業員の関係が変化
Z世代やミレニアル世代は、メイクのような毎日のルーティンを撮影したGRWM動画の中で(GRWMとは「Get Ready With Me」の略で、「私と一緒にお出かけの準備をしよう」という意味)、サイアクのデート体験や極めて個人的な打ち明け話をソーシャルメディア上にさらしている。
LinkedInやX(旧Twitter)などに投稿されたレイオフ動画やそれに関連した職探しの投稿は、多くの人が隠そうとするプライベートな部分に新たな光を当てるものとなった。
レイオフを研究しているハーバード大学の経済学者、サンドラ・サッチャーは、「仕事とプライベートの境界線が壊れた」と話す。
働く人の中には、仕事を失った感情を処理するためにこうした動画を使っていると言う人もいる。ソルトレイクシティに住むジョニ・ボンネモート(38)は、4月に信用情報回復会社からマーケティングの職を解雇されて泣く自分の姿を撮影した。
当初はこの動画を家族とだけ共有するつもりだったが、会社がレイオフを実施した1週間後に残ったスタッフにボーナスを支給したことを知り、TikTokに投稿した。動画は140万回以上再生され、多くの応援コメントが寄せられた。