おかずかおやつか「コロッケ論争」繰り返される訳 地味なコロッケに人々が熱狂するのはなぜか

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コロッケは、手間がかかる料理である。多くの人が語る際、頭に浮かべたと思われるポテトコロッケの場合、ジャガイモをゆでてからつぶし、炒めたタマネギやミンチなどと混ぜて成形し、小麦粉・卵・パン粉を順にまとわせて揚げる。

一方、中にホワイトクリームが入っているクリームコロッケは、主菜と認識されているようだ。認識の違いは、普及の仕方の違いから生まれたのではないか。

戦前から庶民のおやつだったポテトコロッケ

ポテトコロッケは、戦前から庶民のおやつだった。老舗として知られるのが、1927(昭和2)年創業の東銀座「チョウシ屋」。レストラン勤務経験がある創業者が、庶民的にしようとホワイトソースをポテトに換えてヒットさせた。

1917(大正6)年、浅草オペラで使われたヒットソング「コロッケの唄」で歌われ、カレー、とんかつと共に「三大洋食」と呼ばれるなど、この頃の流行食だった。

家庭への本格普及は、高度経済成長期。商店街が活況を呈し、肉屋のコロッケも増える。おやつか主菜かの認識の違いは、育った地域に肉屋があったかどうか、親がコロッケを作ったかどうかに左右されるように思う。

しかし、私が聞いた人たちも、『秘密のケンミンSHOW極』で「主菜にならない」と断じた東京の人たちも、コロッケが好きという点では一致する。では何が魅力なのか?

ポテトスナックで身近と言えば、ポテトチップスやフレンチフライなど、ジャガイモをそのまま揚げた料理、じゃがバターなどそのまま蒸した料理だ。一方、ポテトコロッケは香ばしい香り、サクサクの衣、クリーミーなあるいはホクホクな具材、と食感も複雑だ。

揚げ物は油脂の旨味を吸い、さらにジャガイモ、ミンチの旨味が加わる。タマネギにも旨味がある。つまり素材のすべてが旨味素材なのだ。おいしくないわけがない。

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