あの「納豆王国」がなぜか2位でくすぶる理由 そこには思わぬ苦悩があった
もしや水戸は納豆タウンではなくなったのか?水戸に着いた取材班は、さっそく市民に聞いてみた。
すると、「365日食べています」「アフリカに納豆を持っていく活動をしている」など、納豆への愛にあふれていた。
続いて水戸のスーパーへ。売り場に着くと、東京都内では考えられないほど、納豆の量も種類も豊富に陳列されていた。
切り干し大根が混ざった「しょぼろ納豆」、金箔入りの「ゴールド納豆」など、取材班が初めて見るような珍しい種類の納豆も。
さらに「納豆の箱売り」もされている!では一般家庭はどうなのか?ある家庭の冷蔵庫の中を見せてもらった。これもやはりというべきか、納豆のパックがあるわあるわその数なんと23パックも入っていた。ここまで突き抜けた納豆愛があるのに、水戸市はなぜ福島市の後塵を拝する2位なのか。水戸への取材だけでは実態は見えてこない。取材班は王者・福島へ向かった。
福島で納豆事情を探ると、興味深い事実がわかった。福島では学校の給食で納豆がよく食べられているという。調べたところ、多い所で2週に1回のペースで給食に納豆が並ぶ。対する2位の水戸は同3カ月に1回。福島に比べ圧倒的に少ない。子供のころから納豆に慣れ親しむため大人になっても身近に感じ、結果的に水戸よりも多く納豆を食べるようになっている。
福島市内のある家庭の食事事情を調査してみた。夕飯に出てきたのは
「納豆の揚げ春巻き」「大根おろし入り納豆」など、福島ではそれぞれ納豆を使ってアレンジした、さまざまなオリジナル料理があることがわかった。
実はこれには歴史的な経緯がある。交通の便が発達していなかったころ、福島では雪が降ってしまうと物資が入ってこない。そこで、備蓄していた納豆をいろいろな料理にアレンジして楽しむようになったという。
一方の水戸市民はというと、福島とは違い、納豆をシンプルにそのまま食べているケースが多かった。インタビューによると納豆のオリジナル料理を作っている家庭は水戸が37%に対し、福島はおよそ8割とその差は歴然だ。
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