横浜ゴム「アドバンスポーツ」タイヤ開発秘話 欧州で鍛えた総合性能と、その未来像に迫る

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横浜ゴムの不破さん
横浜ゴムの不破さん(筆者撮影)

西:今でこそ先の自動車メーカーに純正装着タイヤとしてアドバンスポーツが採用されていますが、当初は「アドバンスポーツとしてのプレミアムな価値を構築する」、これが狙いだったのですね。

:はい。当初からポルシェにも純正装着タイヤとして選んでもらいたいという願望がありました。いずれにしろ、欧州市場で実績を重ね納入していることが我々にとっては大きな価値になりますし、自動車メーカーからの高い要求に応えることで商品の総合性能も格段に向上したと自負しています。

ベントレーからはじまった純正採用の歴史

西:欧州ブランドに対するアドバンスポーツとしての純正装着はいつから始まったのですか?

:2004年です。具体的な商品としては「アドバンスポーツV103」で、このタイヤがベントレー「コンチネンタル」に純正装着タイヤとして選ばれました。

西:欧州自動車メーカーのプレミアムスポーツブランドへの採用は相当ハードルが高かった?

:はい、ものすごく。社内でも専門のプロジェクトチームを立ち上げて企画、開発に取り組みました。しかし、この経験は我々にとって大きな財産です。タイヤの付加価値を高めることで自動車メーカー、そして車両のオーナーからも信頼をいただきつつ、我々としてブランドイメージを高められる。その相乗効果は計り知れないものでした。

西:そのV103ではリプレイスタイヤ(市場で購入可能なタイヤ)も販売されていますよね?

:はい。純正装着されたV103をベースにリプレイスタイヤを開発し、2005年に市場へと投入しています。

西:ちょうどその頃から、ハイパワーエンジンを搭載した車両重量のかさむSUVが自動車メーカー各社から誕生してきましたが、それに対応するタイヤの開発という側面もアドバンスポーツに期待されてきたと思います。開発での苦労はどこにあったのですか?

:純正タイヤの開発は自動車メーカーからの高い要求性能があり、確実に達成する必要があります。同時に、それらの性能を満たす商品を作り続けるために、どうやって品質や精度を維持しているのか、自動車メーカーから製造工場に適宜、監査が入ります。「そうではなく、こうすべきである」というきびしいご指摘を受けることも、当初は少なくありませんでした。

西:きびしい要求だったのですね。

:はい。しかし、我々にとってはありがたくもあるご指摘をいただいていたからこそ、製造工場での改善速度が従来よりも一気に高まりました。

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