人生最悪と嘆く人が"自滅パターン"断ち切る方法 なぜ人生を台無しにする人を引き寄せるのか

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
拡大
縮小

多くの人は人生を善と悪の2つに分けて割り切ろうとします。「私の子ども時代は完璧だった」とか「私の父はろくでなしだ」という具合です。

もし何かが完璧なら、怒りを感じたり傷ついたりする必要はありません。私たちはそうやって自分のトラウマを否認するのですが、そうすることで他者との未解決の問題を繰り返してしまいます。

もし誰かが全面的に悪いなら、その人を失ったり怒りを感じたりすることはそんなに苦痛ではありません。なぜなら、その人を失っても惜しむようなことはないからです。

しかし、そのように考えているうちに被害者意識が芽生えてきます。「私はなんてみじめなのだろう。ひどい目にあってばかりで、すごく運が悪い」といった具合です。

たとえば私自身も子どもの頃、父に激しい怒りを抱いていました。「父はろくでなしで、いいところがない。私は悪い父親の被害者だ。厄介払いができてすっきりした」と思ったのです。

しかし、こういう冷淡な態度はあまりにもつらく、私はやっと目を覚まして自分の感情に対処し、ものの見方を変えることにしました。自分の心と頭の中で父のいい部分と悪い部分を総合し、ようやく父の短所を許して、自分の人生を台無しにしている破壊的な行動パターンを断ち切ることができたのです。

自滅的な行動パターンには原因がある

きっと、あなたは「もしそれがそんなに苦痛なら、なぜ掘り起こすの? そして、もしそれを抑圧することを選んだのなら、なぜわざわざ明るみに出す必要があるの?」と思っていることでしょう。

たいへんよい質問です。1つずつ答えましょう。

過去を振り返って、何が原因で自滅的な行動をとるのかを分析しなければ、自滅的な行動をコントロールすることはできません。言い換えると、自滅的な行動パターンの原因がわからなければ、自分の人生がどの方向に進むかをコントロールできないのです。

Unlimited (アンリミテッド) 制限しない生き方 理想の自分に近づく3つのステップ
『Unlimited 制限しない生き方 理想の自分に近づく3つのステップ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

その結果、時計の針が逆に回るように、あなたはいっこうに前進できず、絶えず後退するような生き方をすることになります。

自分の過去を振り返るというのは、過去に生きることではなく、過去から学ぶことです。それをしないかぎり、心に重荷を背負い続けることになります。

勇気を出して自分の心の奥を直視してください。どんなに問題を抑圧しようとしても、あなたはそれが何かをよく知っているはずです。じっくり検証すれば、自分のトラウマを探り出すことができます。

今までずっと目をそむけて生きてきたかもしれませんが、自分の人生を取り戻したいなら、これまでの自滅的な行動パターンを断ち切らなければなりません。

ジリアン・マイケルズ ライフコーチ

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Jillian Michaels

大学を卒業後、ジムのトレーナーとして活動し、タレントに転進して全米で圧倒的支持を集める。栄養士とトレーナーの資格を持ち、心理学と成功哲学にも造詣が深い。テレビとラジオの出演多数。とくに、ダイエットとトレーニングで減量をめざす視聴者参加型のテレビ番組は全米で好評を博す。フィットネス本は200万部を超える大ベストセラーとなり、フィットネスビデオは500万本を超える大ヒット記録を樹立。「Health」誌で「全米No.1の健康美の持ち主」に選出される。慈善活動にも熱心で、「がん撲滅キャンペーン」などを通じて社会に貢献している。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT