日本人の会話から「ことわざが消えている」深い訳 「いったい何のこと?」薄まる比喩の共通認識

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それでは、前出のクイズの答えを見ていきましょう。

「~のような」「3文字比喩」クイズの解答

【~のような/理解力クイズの答え】

「〇が豆鉄砲を食ったような」 〇←鳩

突然の出来事に驚いて、あっけにとられている。びっくりして目を丸くしている

「〇につままれたような」 〇←狐

何が何だかわけがわからなくなって、ぽかんとする様子。「つままれる」は「ばかされる」の意

「借りてきた〇のような」 〇←猫

ふだんはそうではないのに、いつもと違って大変おとなしくしているさま

「蛇に睨まれた〇のような」 〇←蛙

恐ろしさに身がすくんでしまい、何もできない。とうてい立ち向かえそうもない相手に、まるで力を出せないでいるさま

「〇がのたくったような」 〇←ミミズ

ミミズが土の上をうねり回った跡は、意味不明なくねくね線。そのような下手な文字という意

「陸に上がった〇のような」 〇←河童

周囲の状況などが変わったことにより、これまで発揮できていた能力が全然示せないさま。想像上の動物の河童は、頭上にある皿状のものに水が入っていないと無力になることから

「〇の首を取ったような」 〇←鬼

ものすごい手柄を立てたように得意になって喜ぶさま。またそうした者を、冷やかし気味でいうことも

【3文字比喩/理解力クイズの答え】

「関の山」

精いっぱいやってもここまで。やれる限度。できることの限界

「青天井」

物価や株価などが、無制限に上がること。青空は果てしなくどこまでも高いことから

「糠喜び」

あてがはずれてしまって、せっかく喜んだことが無駄になるさま

「虎の子」

大事にしまってある金品など、とても大切にして手放さないもの。虎は我が子を非常にかわいがり守ることから

「紅一点」

男性が大勢いる中で、女性がただ一人だけいること

「朝飯前」

非常にたやすいこと。朝起きて朝食までの間にできるほど容易な

山口 謠司 大東文化大学文学部教授

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やまぐち ようじ / Yoji Yamaguchi

1963年、長崎県佐世保市に生まれる。
大東文化大学文学部中国文学科教授。中国山東大学客員教授。博士(中国学)。大東文化大学文学部卒業後、同大学院、フランス国立高等研究院人文科学研究所大学院に学ぶ。ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。
著書にはベストセラー『心とカラダを整える おとなのための1分音読』(自由国民社)、『語彙力がないまま社会人になってしまった人へ』(ワニブックス)などがある。

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