国産旅客機・MRJ(三菱リージョナルジェット)を覆う暗雲、受注直後に不正が発覚


 この目標に対し、MRJの受注は現在たった130機。全日本空輸25機、米国の地域航空会社、トランス・ステーツ・ホールディングス100機、今回のANI5機だ。

そんな中、ANIが検討する100席クラスの追加発注20機は朗報と思いきや、そこには複雑な事情が絡む。

現状、MRJの機種は、90席と70席の2種類だけ。江川社長は「90席をまず造り、その後に胴体の短い70席を出す。技術的には、胴体を縮めるのは容易だが、伸ばすのは難しい。100席クラスの生産は最後に判断する」と話す。座席数を増やすと重量も増え、タイヤや翼などの改造が必要になるため、後から開発するのは難しいのだ。

MRJの販売目標は1000機だが、採算ラインは350~400機とされる。だが、100席クラスにも手を広げれば、開発費は膨らみ採算ラインも上がる。不正発覚もあり、14年春の全日空への初号機納入が迫る中、採算ライン達成までの道程は一気に険しさを増してきた。

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(柿沼茂喜 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2011年7月2日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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