「能登地震」を元日のテレビはどう放送したか 放送を続けたのはNHK、TBS系列、読売テレビ

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確かにテレビ東京系列の放送エリアに、北陸は入っていない。だが東京も揺れたし、関西ではもっと揺れを感じただろう。放送エリア外とはいえ、日本全体への影響は大きい地震と言っていい。

テレビ東京も約10分後、16時21分には地震報道に切り替えた。これで民放地上波テレビは全局、地震報道を放送し始めたことになる。

お正月番組をあえて放送した意図

ただ正直、被災地からの情報はあまり伝わってこない。各地域の定点カメラから、津波らしき大波が海岸に打ちつける映像は見えるものの、はっきりしたことはわからないままの状態が続いた。

チャンネルをあちこち見ながら、もやもやと不安ばかりふくらむ時間が続いた。私は正直、いっそお正月番組も流してほしいと思ったりした。

そんな中、18時40分からテレビ東京が元々番組表にあった「出川哲朗の充電させてもらえませんか?新春4時間SP」を流し始めた。私はこの番組を毎週見ていて「新春SP」も楽しみにしていたので、大喜びで見た。地震の現地の皆さんには申し訳ない気もしたが、緊張が和らぎホッとしたのが偽りない気持ちだった。

本来は18時からの番組だったので、40分遅れのスタート。ここに、局としての苦渋が感じられる。どんな判断だったか、テレビ東京にコメントをお願いしたところ、「まだ災害報道の最中なので回答は差し控えたい」との、返事があった。そこから、おそらくギリギリの議論と判断があったと推測している。

番組の鈴木拓也ディレクターがX(旧Twitter)にこうポストしている。

「途中からの放送になりましたが…見てくださった皆さま、ありがとうございました。本来は、安全で平和な状況で放送がおこなわれることが、バラエティ番組の制作に携わる全スタッフにとっての願いです。どうか皆さまが、ご無事でありますように…。今夜の放送が誰かの支えになれていれば幸いです。」(@taks27:1月1日22時38分投稿)

あえて放送した意図は、ここから読み取れるだろう。少なくとも私にとっては不安を和らげてもらえたとお伝えしたい。

夜になると他の局も、予定されていた番組に戻すべきと判断したようだ。21時にテレビ朝日は「相棒season22 元日スペシャル」を、日本テレビは「月曜から夜ふかし元日SP」を放送し始めた。私は「夜ふかし」も楽しみにしていたのでこれも嬉しい判断だった。また21時10分にはフジテレビが「有吉弘行のプライベートジェット爆食ツアー」を放送開始している。

そんな中で、地震報道に徹したのがTBSだ。21時になっても、予定されていた「ドリーム東西ネタ合戦」は放送せず、地震報道を続けた。TBSの記者が現地にいたこともあり、NHKより生々しい取材を届けていた。この日は深夜まで地震報道を続けた。

23時6分前後には気象庁が再び震度7を発表し各局慌てて地震報道に切り替わったが、計器の誤作動だったことがわかりすぐに元の番組に戻った。

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