しかし近年、ベトナム産のドリアンが低価格を売り物に中国への輸出を伸ばし、タイ産の市場シェアを奪いつつある。
ベトナム産ドリアンの人気上昇に目をつけた中国の小売業者も、ベトナムの産地への投資を積極的に増やしている。例えば、中国の阿里巴巴集団(アリババ・グループ)傘下の生鮮スーパー、盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ)は2023年10月、ベトナムに同社初のドリアンの直接仕入れ拠点を開設した。
鉄道や低温物流網の整備が追い風
とはいえ(ドリアン以外を含む)果物全体の対中輸出で見れば、タイの輸出額は依然としてASEAN最大だ。中国の業界団体のデータによれば、2023年1月から10月までに中国がタイから輸入した果物および加工品の総額は67億7000万ドル(約9753億円)に上り、ASEAN産果物の輸入総額の4割超を占めた。
東南アジア産の果物の対中輸出が急増している背景には、交通インフラの大幅な改善や低温物流ネットワークの整備などがある。
例えば、2021年12月に開通した(中国・雲南省の昆明とラオスのビエンチャンを結ぶ)「中老鉄路(中国ラオス鉄道)」を利用することで、以前はトラックで2日間かかっていたタイから中国への貨物輸送が15時間以内に短縮された。
(財新記者:李蓉茜、包雲紅)
※原文の配信は1月5日
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