東南アジアから「果物の対中輸出」が急増の背景 ベトナム産ドリアンの輸出額は前年の16倍に

✎ 1〜 ✎ 1368 ✎ 1369 ✎ 1370 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

しかし近年、ベトナム産のドリアンが低価格を売り物に中国への輸出を伸ばし、タイ産の市場シェアを奪いつつある。

ベトナム産ドリアンの人気上昇に目をつけた中国の小売業者も、ベトナムの産地への投資を積極的に増やしている。例えば、中国の阿里巴巴集団(アリババ・グループ)傘下の生鮮スーパー、盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ)は2023年10月、ベトナムに同社初のドリアンの直接仕入れ拠点を開設した。

鉄道や低温物流網の整備が追い風

とはいえ(ドリアン以外を含む)果物全体の対中輸出で見れば、タイの輸出額は依然としてASEAN最大だ。中国の業界団体のデータによれば、2023年1月から10月までに中国がタイから輸入した果物および加工品の総額は67億7000万ドル(約9753億円)に上り、ASEAN産果物の輸入総額の4割超を占めた。

中国とラオスを結ぶ「中老鉄路」の開通により、タイから中国への生鮮食品の輸送時間が大幅に短縮された(写真は中国国家鉄路集団のウェブサイトより)

東南アジア産の果物の対中輸出が急増している背景には、交通インフラの大幅な改善や低温物流ネットワークの整備などがある。

本記事は「財新」の提供記事です

例えば、2021年12月に開通した(中国・雲南省の昆明とラオスのビエンチャンを結ぶ)「中老鉄路(中国ラオス鉄道)」を利用することで、以前はトラックで2日間かかっていたタイから中国への貨物輸送が15時間以内に短縮された。

(財新記者:李蓉茜、包雲紅)
※原文の配信は1月5日

財新 Biz&Tech

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ザイシン ビズアンドテック

中国の独立系メディア「財新」は専門記者が独自に取材した経済、産業やテクノロジーに関するリポートを毎日配信している。そのなかから、日本のビジネスパーソンが読むべき記事を厳選。中国ビジネスの最前線、イノベーションの最先端を日本語でお届けする。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事