早大野球部OB会"子どもに外遊びの場提供"の背景 運営への協力は「人生の豊かさにつながる」
イベントに参加した保護者に話を聞くと、「放課後は仲の良い友達が学童や習い事で忙しく、一緒に遊べない日も多い」(小学2年生男子の父親)という声があがった。
ほかにも「学童に通っているので、外遊びは学校や学童でだけ」(小学2年生女子の母親)、「近所にボール遊びができる広い場所もないので、イベントに参加できて良かった」(小学1年生男子の父親)と話す保護者もいた。
部を通して「未来に貢献したい」
「早大野球部にお世話になったから、今の自分がある。育ててくれた部に恩返しできる場があればと、本イベントを立ち上げた」と話すのは、同部OBで現在北海道日本ハムファイターズのGM補佐兼スカウト部長を務める大渕隆氏だ。
大渕氏はスカウトという仕事柄、野球競技人口の減少や勝利至上主義に偏った指導など、野球界のさまざまな課題を痛感してきた。
そこで、部を通して将来の野球界に少しでも貢献できればと、子どもたちが野球に興味を持つきっかけとして同部グラウンドを開放し、前述のならびっこゲームや、ボール投げ計測などを行うイベントを企画した。
2015年から毎年行われてきた本イベントだったが、2020年と2021年はコロナ禍で開催できなかった。一昨年(2022年)、コロナ禍の収束により再び開催できることになり、OB有志が集まりイベントの内容を練っていた際、メンバーのひとりが「何か違う」と一石を投じたという。
「コロナ禍を経て、子どもたちはそもそも外で遊べていないのではという話になったんです。調べてみると、コロナの感染拡大を機に子どもたちの体力は落ち、肥満が増加したというスポーツ庁のデータが出てきた」(大渕氏)
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