悩む前に子供のため馬車馬のごとく働こう! 世間知らずの妻、「ギャンブル狂」に騙される

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本当によく似た話があるもので、私の知人の博子さん(仮名)とそっくりです。博子さんも、借金という言葉が彼女の辞書にない人でした。結婚してすぐに、夫が友人から100万円を借金していると聞かされ、慌てて独身時代の自分の貯金を夫に渡しました。夫もすごく辛く、恥ずかしい思いをしているだろうと信じて疑わなかったそうです。後年わかったことですが、それは返済に充てられず、ギャンブルに消えていました。

その後も、客の入金が遅れているとか、手違いで事業資金を使い込み、出張先のホテル料金まで使い込んだから、すぐに100万円を自分に振り込んでくれないと、明朝、詐欺罪で新聞に載るなどと言われ、世間知らずな博子さんは、せっせと自分が身内から借金をしては、その日中に夫に振り込みを続けたのです。夫のギャンブル場からの電話を、博子さんは、ホテルのフロントで立ち往生している夫の姿を想い描き、慌てました。そんな夫の要求は、博子さんの目が覚めるまで続きました。目覚めた博子さんの前で、離婚を切り出したのは夫側だったというのも、貴女と同じです。

子どもを守りたい一心で馬車馬のように働く

博子さんをだませている間は、夫はわずかながらでも生活費を入れていましたが、博子さんが目覚めた時、彼女の夫はニッチもサッチもいかない状態でした。博子さんは離婚を考えたり言い出す間もないほど、即刻夢中で働き始めました。子ども2人が受験生で、その日の子供たちの夕食費も事欠き、待ったなしで毎日、おカネが必要だったからです。

職業は選べません。新聞や週刊誌の求人広告を見て、度重なる不採用通知にもめげず、応募し続けて職を得たそうです。43歳だった博子さんは、昼は清掃会社の社員になって15万円ほどの収入を得、一旦帰って子どもたちの食事を作り、再び時給がいい高級クラブの皿洗いで夜中2時まで働き、12万円を稼いだそうです。2人の子供を育てるのに必死で、離婚を願ったり明日からの不安を感じたり、疲れを感じる間がなかったと言います。

博子さんの子どもたちはそれぞれ奨学金で大学に通い、社会人になって、それを自分たちのお給料から返済しています。高校までの養育費や学資で足らなかった分は、博子さんの実家と夫の実家から出世払いで借り、それも子どもたちが、少しずつ返済を手伝ってくれているそうです。子どもたちが優しく真面目に育ったので、貧乏が自分の子を真面目に育ててくれたという冗談まで、博子さんの口から出るようになりました。いちばん大変だったのは、不定期にでも入っていた夫の収入が当てにできないとわかり、自分ひとりが働いて子どもが養えるかどうか不安だった、ちょうど今の貴女のような時期だったそうです。

彼女は離婚用紙にいつ印を押したか記憶が飛んでいるほど、心身共に限界でしたが、当時はそれすらも気づかなかったといいます。つまり彼女は、自分の法的な離婚がいつだったのか、長い間知りませんでした。もちろん自分から離婚して出ていった彼女の夫は風のうわさでは、「ギャンブラーは焼くまで治らない」を地で行く生活をしているそうですよ。

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