正念場のゴルフ場経営、拡大戦略貫くアコーディア、PGMはコスト削減を優先
東日本大震災が襲った3月11日、アコーディア・ゴルフではちょうど今期の予算会議の真っ最中だった。審議中の予算数値をいったん壊し、「緊急予算」として急きょ組み直したという。第1四半期に入っていたPGMホールディングスは、今12月期業績予想の下方修正を余儀なくされた。ゴルフ場運営会社にとって大震災の影響は、一時的とはいえ決して小さくはない。
6月に入り、一部のゴルフ場を残して平時の運営に戻りつつあるが、自粛によるゴルフコンペの激減と、ビジター(非会員のゴルフ場来場者)の減少は痛い。これらの要因がさらなる「客単価」下落(下図)に及ぼす影響が懸念されるためだ。
年平均客単価にはプレーフィーのほか用品販売や飲食などが含まれ、ゴルフ場運営の収益を見るうえでのメルクマールだ。ゴルフ場数が横ばいとなる中でゴルフ人口の減少が進み、客単価は構造的な低下傾向を示しており、両社の収益を減速させている。前期には両社とも客単価が1万円割れに突っ込んだ。今期は震災要因も加わり、下方圧力がさらに強まりそうだ。
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