日産の中国戦略、カギ握る「若者向けセダン」

ディーラーとの関係を修復できるか

日産は、自社ブランドに加え、現地ブランド「ヴェヌーシア」と高級車ブランド「インフィニティ」を展開、中国の外資系メーカーでは唯一、小型商用車も販売する。中国全土に885拠点(2014年末時点)のディーラー網を抱えているが、販売現場の不満は頂点に達していた。

目先の収益を追うディーラーは、高価格で利幅の大きい車種の販売に傾注したため、量産車種である小型車の拡販が手薄になった。主力車種が発売から4年近く経過し、ライバルの新車攻勢も影響。こうした中、ディーラーの在庫負担を減らすため、日産が卸売りを抑制したのも、2014年度後半の減速要因となった。

販売2500万台、供給力は4000万台?

現在、在庫水準は「完全に健全化した」(関総裁)という。専門の担当者を現地に派遣し、ディーラー網の管理や、小売り実態の把握にも力を入れており、危機は何とか乗り越えたように見える。

ただ、足元の市場には、減速懸念もある。日産の4月の新車販売台数は前年をわずかに下回った。春節の影響で新車販売が落ち込みやすい1月、2月を除くと、反日デモの影響で減少した2012年9月以来、2年7カ月ぶりのことだ。

業界全体には供給過剰懸念という問題も横たわる。2015年度の自動車販売は前年比7%増の約2500万台の見通し。これに対し、外資系と現地メーカーで基準の違いがあるものの、全社の増設計画をすべて足し合わせると、中国国内の供給能力は年間4000万台を超す。とりわけ中国メーカーの稼働率は足元で5割弱ともいわれる。

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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。