ChatGPTで「問題解決力」を伸ばせる子の使い方 使うか、使わないかより先に進んだ議論

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一方で100人の教育関係者と1000人以上の学生を対象とした別の調査では、学校や大学で「ChatGPTを禁止すべきではない」と66%が答えているが、これは必ずしも現場が生成AIの利用に対応できている、ということではないようだ。

「私の学部全体が、AIによる執筆ツールに突然簡単にアクセスできるようになったことに神経質になっています」とこの調査に答えた教授の1人はコメントしている。

「今のところ、カンニングを見破るのはかなり簡単ですが、カンニングを見破ることができるようになるのは1年かそこらの問題ではないかと心配しています。これに対して対策はありませんが、それを見つけたいと考えています」

B程度の成績は取れるように

また別の教授は、「ChatGPTに持ち帰りの試験問題を与えた同僚が何人かいますが、B程度の成績を取れるようにはなっており、これは怖いことです」とコメントしている。

さまざまな意見や混乱、恐怖心はあるにせよ、多くの教育専門家は次のような考え方に集約しつつある。「AIがイノベーターに取って代わることはないが、AIを利用するイノベーターは、利用しないイノベーターに取って代わるだろう」。

ウォルトン・ファミリー財団の教育プログラム・ディレクターであるロミー・ドラッカーも、「教育者はイノベーターであり、現状を鑑みて、生徒1人ひとりのユニークなニーズに応えるために、あらゆる手段を自由に使いたいと考えている」と話す。

ドラッカーは、生徒側もまた、自らの教育に主体的に携わっていると感じ、学ぶことに興奮を覚える必要があると述べており、ChatGPTはこのような機会を生徒たちに提供することができる、と見ているようだ。

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