生成AI時代に注目される「古代ギリシャの美徳」 リスクを避けAIを正しく使う「人類の英知」

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「思慮」「勇気」「節制」「正義」の4つの徳目に生成AI時代を生きるヒントがある。
「思慮」「勇気」「節制」「正義」。この4つの徳目に生成AI時代を生きるヒントがある(写真:scaliger/PIXTA)
ChatGPTをはじめとする生成AIは、この1年ほどでビジネスで日常的に使われるツールとして定着しつつある。しかし一方で、フェイクニュースの問題や著作権の問題など、利用に際してはさまざまなリスクも内包している。そして今、こうしたリスクとうまくつきあい、適切にAIを活用するための指針として、古代ギリシャの4つの徳目が注目されている。『生成AI時代の「超」仕事術大全』(東洋経済新報社)の著者の1人である保科学世氏が、生成AI時代に現代人があらためて心に刻みたい4つの徳目について解説する。

26倍に増加したAIの事件や論争

AIAAIC(AI, Algorithmic, and Automation Incidents and Controversies)レポジトリは、AIやアルゴリズム、自動化に起因または関連する最近のインシデントを、独立かつオープンに公開しているデータセットである。

生成AI時代の「超」仕事術大全
『生成AI時代の「超」仕事術大全』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

2019年に開始された同プロジェクトは、AIにまつわるレピュテーションリスクをよりよく理解するためのプライベートプロジェクトとして発足し、AI関連の倫理的問題を追跡する包括的な取り組みにまで発展している。

このAIAAICのデータベースで報告されたAIの事件や論争の数は、2021年には2012年の26倍となっている。報告件数の増加は、AIの利用拡大とそれに伴う倫理的問題への意識の高まりによるものと思われるが、生成AIの利用が進めばこの件数も増加していくと予想される。

このような状況の中で生成AIを最大限正しく活用するためには、リスクに留意し、その軽減策を行いながら、倫理観と節度をもって取り組んでいく必要がある。そこで本稿では、これから求められる4つの「徳」について触れたいと思う。

AIに関するインシデントと論争の数(2012~21年)
AIに関するインシデントと論争の数(2012~2021年) (出所『生成AI時代の超仕事術大全』より)
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