「頭がいい人」の頭の中を再現! ChatGPT活用法 「ChatGPTは使えない」と言う人の盲点とは

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読者のみなさんには、各レベルにおけるChatGPTに対する質問の違いと、回答の違いを比較していただきたい。各レベルで、質問の趣旨が異なっていることに気づいていただけるだろうか。

意図を言語化する能力を磨こう

ChatGPTの活用において最も重要な点は、「意図」を明確に言語化することにある。メールを書く目的や、それを支える自分なりの哲学や価値観を明確にすることが、AIを効果的に活用するカギとなる。

これは、単にテキストを生成するだけではなく、ChatGPTがその背景にある目的や意図を理解し、それに基づいて行動するための基盤を築くことを意味する。

言うまでもなく、「意図」の明確化はビジネスシーンはもちろんのこと、プライベートでも、さまざまな目標設定や思考の整理などに役立つ。

あなたの意図は何か、それをどう言語化するか。この違いが、ChatGPTからの回答の違いにつながる。

ChatGPTは与えられた情報を基に動作するため、より具体的で個人的な情報が含まれるほど、出力される内容は「あなたらしさ」を反映したものになる。

さらに、ChatGPTとの対話を通じて、自分の意図や目的について深く考え、それを言語化するプロセスは、自己理解を深める機会にもなる。私たちはしばしば、自分の本当の目的や動機を完全には理解していないことがあるからだ。

ChatGPTとの対話は、これらを明確にする手助けをしてくれる。そうすることで、予期しない洞察や新たなアイデアが生まれる可能性がある。

ワーキングメモリの限界を知り、それを補うようなChatGPTの使い方ができるかどうか。そこに、ビジネスパーソンとしての死活がかかわってくるとも言えるだろう。

ChatGPTを高いレベルで使いこなすには、意図の言語化を習慣づけることが効果的となる。

堀田 創 シナモンAI 代表取締役Co-CEO
ほった はじめ / Hjime hotta

25歳で慶應義塾大学大学院理工学研究科後期博士課程修了、工学博士。レコメンデーションエンジン、ニューラルネットワーク等の研究に従事。2005年、2006年にはIPA未踏ソフトウェア創造事業に2度採択された。2005年より株式会社シリウステクノロジーズに参画し、位置連動型広告配信システムAdLocalの開発を担当。在学中にネイキッドテクノロジーを創業、その後同社をmixiに売却。日本において3回企業売却を経験。著書に「チームが自然に生まれ変わる「らしさ」を極めるリーダーシップ」「ダブルハーベスト―勝ち続ける仕組みをつくるAI時代の戦略デザイン」「トランスフォーメーション思考—未来に没入して個人と組織を変革する」がある。

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