71歳で吉本芸人になった「おばあちゃん」の5年後 路上でチケットさばいていたら周りが大慌て

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――ネタを毎月作って、舞台に立ち続ける。それだけでも大変なことです。

あとは、名もない若手芸人のライブですから、お客さんがぜんぜん入らないこともあります。そんなときは渋谷の劇場の前でチケットを手売りするんです。

――おばあちゃんもやっているんですか!

何事も経験だと思って、若い子たちに「私も連れていって」と頼んで一緒に手売りしていました。夏のものすごく暑い日で、劇場のスタッフがすっ飛んできて「やめさせろ! おばあちゃんが熱中症で倒れたらどうするんだ!」って、その子たちが怒られちゃった(笑)。申し訳ないことをしましたね。

あとは、私みたいな高齢者が必死で勧誘するものだから、「あんた、もしかして壺でも買わせる気でしょう?」って疑われたこともありました(笑)。

「腰パン」は「こしあんの入ったパン」かと

――こうしてメディアにも取り上げられる機会も増え、知名度も上がってきたのでは? ファンレターやプレゼントをもらったり。

いえ、私なんてまだまだ! ただ、EXITさんやジャングルポケットさんなどと共演させていただく機会があったのですが、劇場を出るときに出待ちしている彼らのファンの子たちから「おばあちゃーん!」と手を振ってもらえて。

あと、舞台で「大福が好きなんです」と話したら、ライブを観に来ていた若い子が「大福を探し回ったんだけど見つからなくて……」ときんつばをくれました。うれしかったですね。

――ファンの皆さんもそうですが、周りの芸人も孫ほど年齢が離れていますよね。それこそ育ってきた時代も価値観もぜんぜん違う。

全然違いますよ! 今の子たちの言葉だって意味がわからないじゃないですか。6月に私が神保町のメンバーになってから、ある芸人が「おばあちゃん、バズったね!」って言うから「え……私、何か悪いことでもした?」って。あと「腰パン」も「こしあんの入ったパン」だと思って(笑)。

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