その結果、模試では全教科で偏差値70を超え、基本的にどの模試でもほぼA判定だったそうです。それでも彼女は前年の失敗から、決して気を抜くことはありませんでした。
「模試では合格率が80%と出ていました。ですが、これは5人に1人は落ちるということです。もう後がないと思っていたので、きちんと早慶の対策もしましたし、ミスを想定して取り組んでいました。直前期の12月くらいからが、いちばん精神的にきつかったですね」
しかし、入念に対策をしていても、センター試験では去年よりも20点ほど下がり、790/900点で終わったそうです。なんとか慶應経済・商は合格したものの、センターの失敗を引きずったまま東大2次試験に突入した彼女は、度重なるミスで落ち着きを失ってしまいました。
「1日目の国語で3点分ミスをしていることがわかり……。それはまだ切り替えられたのですが、2日目の社会が終わったあと、1ページ丸々問題を解いていないことにも気づいたんです。それですでに15点のマイナスが確定したので、次の英語でパニック状態に陥ってしまいました」
試験が終わってからの彼女は、茫然自失だったそうです。
仲間や姉妹の存在に支えられた
そこで救いになったのが、友人や家族の存在でした。
「試験が終わったあと、浅草のカフェで友達と話しました。すると、みんな(入試で)ズタズタにやられたと話していました。夜には姉と妹にもカラオケに連れていってもらったのですが、私が号泣する中、今までうらやんでいた姉に励ましてもらえて、今まであった対抗心が薄れていきました。一緒に戦い、気持ちを共有できる仲間や、一緒に一喜一憂してくれる姉妹がいてよかったなと思えました」
しかし、精神的にはだいぶ落ち着いたものの、審判のときは容赦なくやってきます。
合格発表まで耐えられなかった神谷さんは、合格発表の日の明け方までを友達と一緒に過ごして不安な気持ちを緩和させました。発表時刻の12時をすぎてからようやく起きると、母親が部屋の前に立っていたそうです。
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