《日本激震!私の提言》世界のパラダイムの転換期、日本だけが旧態依然の懸念--孫崎亨・元防衛大学校教授

《日本激震!私の提言》世界のパラダイムの転換期、日本だけが旧態依然の懸念--孫崎亨・元防衛大学校教授

--原子力発電所事故に対する国際的な関心は高く、5月のG8首脳会議で菅直人首相は日本の首相として初めて冒頭発言をした。

菅首相が冒頭の昼食会の主役となったのは、日本に対する懸念の表れだ。日本の福島第一原発の事故は世界に激しいショックをもたらし、世界中で原発政策が岐路に立たされた。ドイツでは選挙で緑の党が躍進し、脱原発へ方向転換するなど、国内政治にまで影響を与えている。

こうした中、日本が情報をきちんと開示していないこと、事故処理に手間取っていることに対する不信感は大きい。日本がどういう国かが問われている。
日本は国際公約を守るか 人間の価値を尊重するか

国際社会が注目するのは、まず、日本が約束したことを実現する国かどうかということ。G8で菅首相は工程表に従って来年1月までに原発を安定状況にすると言った。さらに、発電電力量に占める自然エネルギーの比率を2020年代の早い時期に20%超に引き上げる、と公約した。

日本国内では作業が工程表どおり進まないと思っている人が多い。自然エネルギーについても思いつきで言ったと見られている。日本ではそれで許されてしまっているところがあるが、国際社会からは、実行する手だてがあって言ったことなのかどうか、厳しく見られる。

もう一つは日本という国が人間の価値を尊重する国なのかどうかが問われる、ということだ。これは民主主義の根幹にかかわる問題で、外交上も重要だ。人間の価値を大切にする国だと見られるかどうかで、国と国との付き合い方も変わってくる。

原発事故が起きて、避難するかどうか、飲食物を摂取してよいかどうかを判断する放射線量の基準を、日本は緊急時であるとして大幅に緩め、チェルノブイリ以下との批判も出ている。チェルノブイリ事故でソ連はこの問題を厳しく問われた。5~10年後に結果が出る。日本もこの問題を問われ続ける。

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