高輪ゲートウェイ周辺開発でルミネが描く独自性 「ファッション業界は挑戦する姿勢が薄まっている」

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――今までにないようなファッションビルになりそうで、聞いていてワクワクします。ルミネは駅とともにあるという立ち位置も変わらないのでしょうか。

:基本はやはり駅にあり、駅と直結しているのがルミネの特徴ととらえています。駅とは、日々の暮らしの中に組み込まれている存在であり、公共性が高く社会とつながっている。ルミネは皆さんの日常に寄り添い、さまざまな応援をすることで、勇気や元気を感じてもらえる場でありたいと考えているのです。

「わたしらしくをあたらしく」を愚直に追求する

――最後に、時代が大きく変わる中でルミネが大切にしなければならないことは何だと思われますか。

:長年にわたって掲げてきたコーポレートメッセージである「わたしらしくをあたらしく」を愚直に追求することだと思います。これはまた、私らしさの可能性をさらに広げていくことを意味しています。

――人々の自己実現をサポートしていくということでしょうか。

:はい。マズローの五段階欲求で最高位にあるのが自己実現欲求で、さらに高次元には自己超越欲求があります。これは、自分を超えて他者を幸せにし、社会をより良いものにしていきたい欲求であり、ルミネもそこまでを目指せればと思っているのです。

――随分と高いハードルですね。

:私は人こそが最大の財産と思っているのです。ルミネの社員は約700人、お取引先のショップスタッフが約3万人、この人たちの可能性を伸ばしていくのが役目のひとつととらえているので、どんどん挑戦をしてほしいですね。

――でも、失敗が怖くて挑戦できない人は多いと思います。失敗してもいいのですか?

:失敗を許容しない文化がある限り、新しいことを生み出せるわけがありません。もちろん最初から「失敗してもいい」という弱い意思でのぞんでもらっては困ります(笑)。

でも、思いを持って真剣に突き詰めたことならば、失敗してもかまわないと思うのです。挑戦は成功したら自信になるし、失敗しても知恵や経験につながり、人としての成長を促していく。小さな成功でも、みんなでやっていけば掛け算になって輪が広がっていく。そういう意識を持って挑んでほしいのです。

――未来に向かう希望と、相変わらずのエネルギーに満ちたお話でした。その勢いがかたちになることを楽しみにしています。今日はどうもありがとうございました。

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川島 蓉子 ジャーナリスト

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かわしま ようこ / Yoko Kawashima

1961年新潟市生まれ。早稲田大学商学部卒業、文化服装学院マーチャンダイジング科修了後、伊藤忠ファッションシステム入社。同社取締役、ifs未来研究所所長などを歴任し、2021年退社。著書に『TSUTAYAの謎』『社長、そのデザインでは売れません!』(日経BP社)、『ビームス戦略』(PHP研究所)、『伊勢丹な人々』(日本経済新聞社)、『すいません、ほぼ日の経営。』『アパレルに未来はある』(日経BP社)、『未来のブランドのつくり方』(ポプラ社)など。1年365日、毎朝、午前3時起床で原稿を書く暮らしを20年来続けている。

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