ライオンズが子どもの「非認知能力」開発する事情 野球に特化しない7種目のプログラムを提供

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文部科学省は2021年の学習指導要領で「生きる力 学びの、その先へ」という方針を打ち出している。そして「変化の激しいこれからの社会を生きるために、確かな学力、豊かな人間性、健康・体力の知・徳・体をバランスよく育てること」を求めている。

スポーツをするうえでも、単なる「体力」「運動能力」を養うだけでなく、総合的な人間力の養成に役立てることが求められる。

今回の「ライオンズスポーツアカデミー」は、西武ライオンズだけでなく、他のNPB球団が、フランチャイズエリアで展開している「野球アカデミー」とは、まったく性格を異にしている。子どもたちが体験する7種類のスポーツの中には、野球も入ってはいるが、ことさらにここに誘導するわけではない。「未来の野球ファン」を醸成する目的からすれば、かなり迂遠なマーケティングのように思える。

好きなスポーツに進むきっかけに

西武ライオンズの篠原彰太氏は、アカデミー開設の背景についてこう語る。

西武ライオンズの篠原彰太氏(写真:筆者撮影)

「着目したのがアメリカでは主流になっているマルチスポーツです。アメリカでは、アメリカンフットボールの選手が野球に挑戦するといったことが当たり前にあります。

幼少期にいろいろな運動をすることで運動神経の発達に寄与するという点と、いろんな種目に触れる中で、将来やりたいことの選択肢を増やせる点がいいと思いました。3歳から9歳ぐらいの時期が、運動神経が一番発達するとされ、その時期は専門的なことをやるよりも、いろんな動きを経験したほうが、発達が促進されるといわれています。

『ライオンズスポーツアカデミー』で1年間に7種目のスポーツを経験する中で、中学、高校に入って部活を決めるときに、このときの体験から好きなスポーツに進むきっかけになってくれればうれしいです。もちろん、野球を選んでくれればうれしいですが。何の習い事をすればいいかわからない、みたいなお子さまでも参加できるスクールなので、幅を広く持てるのが強みだと思っています」

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