9月に復活、松屋「ネギ塩豚カルビ丼」人気の必然 牛めし店なのに豚メニューも愛される理由とは

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「松屋は基本的に『牛めし店』なので、牛めしを中心にプッシュしていきたいと考えています」と話す熊谷さんですが、脇を固めるメニューも豊富な点が、松屋が長らく愛され続ける秘訣といえるでしょう。中でも豚メニューの人気は特筆に値します。

BSE(牛海綿状脳症)の影響でアメリカ産牛肉の輸入が停止したことにより、2004年に発売した「豚めし」はその影響を受けた筆頭となりました。「松屋の2代目」と銘打って販売を開始し、2012年の終売まで愛され続けました。

最近では「マツペディア」として、店舗で松屋に関するトリビアのポスターも掲示しています(提供:松屋フーズホールディングス)

「牛めし店」ながら「豚」もコアな人気を博す

また、2019年に牛・豚のビビン丼をそれぞれ販売して開催した「松屋ビビン丼対決」では、豚のビビン丼が僅差ながら勝利。今回紹介したネギ塩豚カルビ丼も、いくつもの変遷をたどりながら、復活のたびに話題を呼んでいます。

実は筆者も、ネギ塩豚カルビ丼を愛するファンの一人。松屋へ行った際に注文するメニューの99%は、ネギ塩豚カルビ丼(あるいは訪問時に販売しているネギ塩×豚メニュー)です。30~40代では、牛丼・牛めしよりも豚丼・豚めしのほうがなじみ深いと感じる人も多いのではないでしょうか。

ピンチヒッターとして登場し、しっかりと結果を残し続けて引退する。豚めし・豚丼は、まさに牛丼・牛めしチェーンにおけるいぶし銀バッターのような存在です。その「豚の系譜」を継ぐネギ塩豚カルビ丼を、今回は紹介しました。今後も松屋からどのようないぶし銀メニューが生まれていくか、注目です。

チェーン店至高のいぶし銀メニューを尋ねて
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鬼頭 勇大 フリーライター・編集者

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きとう・ゆうだい / Yudai Kito

フリーライター・編集者。熱狂的カープファン。ビジネス系書籍編集、健保組合事務職、ビジネス系ウェブメディア副編集長を経て独立。飲食系から働き方、エンタープライズITまでビジネス全般にわたる幅広い領域の取材経験がある。

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