ロジカル思考を過信するコンサルが失敗する理由 人は正論だけでは動かず感情変化がポイント
ビジネスの場面でも同じです。
「この商品なら安心して部長に決裁してもらえる」
「この人は信頼できるし安心感がある」
「こんなに頑張ってくれて心打たれた」
「いい案だけど、横柄な態度が気に食わないから断ろう」
といった具合に、感情が動くことでそれぞれ行動に繫がっています。
そのような人間の本質的な衝動に対して、ロジカルシンキングは“感情への訴求”がものすごく弱いのです。
なぜなら、論理的な結論を導き出す時点では、感情を排除する必要があるからです。
「A案とB案があり、データに基づくと明らかにA案のほうが売り上げは上がりますが、A案は嫌いなので今回はB案を採用します」なんて結論の出し方をしたら、データを分析する意味などありません。
だからこそ感情を排除し、あくまで事実やデータファーストで意思決定を行います。
相手に「なるほど」と言ってもらえることを目指す
しかし、感情を排除して論理的に正しい結論を導き出したところで、今度はそれだけでは相手が動いてくれません。
では、相手に動いてもらうにはどうすればいいか?
そのためには、「論理的に考える」+「相手の感情や状況をロジックに取り込む」ことが必要となります。
これは言い換えれば、「説得」と「納得」の違いです。言葉は似ていますが、2つの違いは主語を考えるとすぐにわかります。「説得」をするのは誰か? そう、これは伝える側の行為です。
一方で、「納得」するのは誰でしょうか? そう、こちらは説明を受ける側の行為です。
私は説明するときはいつも、「相手から『なるほど!』と言ってもらうにはどうすればいいか?」と、意識しています。
単純ですが、相手が納得するということは、「なるほど!」という感情を引き出すことだからです。
正論を振りかざして「説得」をするだけでは、話し手が主体なので、いつまでたっても相手に行動してもらえません。
そうではなく、相手目線に立ち、相手の「納得」を意識して伝えることで、こちらの主張を受け入れてもらいやすくなるのです。
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