ロジカル思考を過信するコンサルが失敗する理由 人は正論だけでは動かず感情変化がポイント

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そもそもロジカルシンキングとは、分析や推論を用いて問題を解決し、意思決定を行うための思考スキルです。

事実やデータに基づく論理的な結論を導き出すことを重視しているので、「この主張は正しい」「このデータは根拠や事実を示している」と、自分の正しさを証明するのには非常に役に立ちます。

しかし、ロジカルシンキングを学び、客観的事実に基づいて正しい主張をしたのに、相手が動いてくれません。それは「相手の感情や状況をロジックに取り込めていない」からです。

以前、私が所属する組織には、物事をなんでもロジカルに考えるベテランコンサルがいました。

ある日、彼やその部下たちと一緒にランチを食べる機会があったのですが、部下から「和食と洋食のどっちがいいですか?」と聞かれ、「なんで中華はないの?」と面倒な質問(選択肢の抜け漏れを指摘)をして、「噂通りの人だな……」と思ったことがあります。

これはやや極端なエピソードですが、ロジカルシンキングを重視すると、「正しさを求めすぎてしまう」という弊害が起きます。

論理による裏付けを重要性や緊急性などと関係なく求めてしまい、どうでもいいことに対しても“理屈っぽく”なってしまうのです。

あなたも「この人が言っていることは正論だし間違いないけど、どうも気に障るからやりたくない」などと思ったことはありませんか?

私はこういったタイプの人を、「論理的思考の失敗例」と呼んでいます。

人が動くのは「感情に変化が起きたとき」

人は正論だけでは決して動きません。人が動くのは感情が動いたときです。「欲しい」とか「それがやりたい」とか「腹が立つ」「マズい」といった感情変化が起きたときに行動します。

例えば、あなたがデパ地下でついスイーツを衝動買いしてしまったときに、どんな感情が動いたかを考えてみてください。
「お腹が減っていたので、すごく美味しそうに見えた」
「『限定』という言葉に釣られて、つい欲しくなった」
「SNS映えしそうなインパクトがあった」
「これを買って帰ると家族が喜ぶと思った」

こうした、「空腹を満たしたい」「もう買えなくなるかも」「家族の喜ぶ顔が見たい」といった感情の変化が、あなたに「スイーツを買う」という行動をとらせます。

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