結婚していると、「相手がしてくれる」と安心してしまいますが、たとえ夫婦であったとしても、片方が認知症になってしまったら、その瞬間から「おひとりさま」です。
夫婦が同時に亡くなることは少ないので、いつかは皆「おひとりさま」になってしまうのです。そのことに気付いていない人が、どれだけ多いことやら……。
おひとりさま=独身、ではない
「おひとりさま」=結婚していない人ではないのですよ!
もちろん亡くなる寸前まで、頭がはっきりしている方もいます。そんな奇跡的な人でも、自分の死後のことはできません。そして当然のことながら、自分で判断できなくなることのほうが圧倒的に多いのです。そのときのために、備えておきましょう。認知症になってしまうと、残念ながら自身のお金を自由に使うことができなくなります。
「こんな施設に入所したいな」
「お金は、このことに使って欲しいな」
もしそんなことを考えていたとしても、備えておかないとただの妄想に終わってしまいます。山中さんがすべきことは、奥さんの口座からお金を引き出すことではなく、ご自身に何かがあったときに、
●奥さんに万が一のことがあっても誰かが対応してくれる
●自分の入院手続きや費用の支払いをしてくれる
●自分が死んだときの対応をしてくれる
まだまだありますが、まずは、このようなことに対して備えておくことが大切なのです。
仮に子どもがいたとしても、親のお金を自由に使うことはできません。
自分で判断ができなくなってしまったあと、自分の思いを叶えてくれるように備えておくことが大切なのです。
独身の祥子さん、結婚している山中さん、いずれも「おひとりさま」のリスクがあるので、備えが必要になるのです。
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