「仕事をさっさと始められない人」共通の傾向2つ 日本人特有の「ある習慣」を変えれば変わる

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最後の「詰め」が甘くなると、差し戻しが生じて評価が下がることを経験として知っているため、彼らはこの最終段階に自分の時間とエネルギーを集中させることを意識して日常の仕事に取り組んでいます。

成果につながる大事なポイントを見極め、自分の時間とエネルギーを最も効果的に配分して最高のパフォーマンスを発揮する……という考え方を「エッセンシャル思考」といいます。このように最も大事なところに、限りある時間とエネルギーを集中させるためには、早めにスタートを切ることが欠かせません。初速を上げることは、仕事の効率化や成果の最大化に直結するのです。

【メリット②】
「行動実験」が可能になり、多くの修正ポイントを発見できる

現代のビジネスには、「こうすれば必ずうまくいく」という最適解が存在しません。あらゆるタスクに「正解」がない時代ですから、いきなり成功を目指すのではなく、たくさんの失敗の先に成功がある……と考えて動く必要があります。

仕事ができる人は「成功or失敗」の二元論ではなく、いくつもの失敗を積み重ねた先に成功があることを理解しており、小さな「行動実験」を繰り返しては、失敗から得た学びをもとに行動を修正することで、最終的に成功にたどり着く……という考え方をしています。

問題点を見つけ出し、それをクリアしながら成功への道筋を組み立てていく……という働き方が、現代の多くの企業が切望している「自律型人材」といわれるものです。

現代のビジネスでは、こうした行動習慣を身につけることが求められていますが、それを可能にするためには、「初速を早くする」ことがポイントとなります。初速を上げることによって、行動実験を繰り返すことができれば、それだけ早く成果を出すことができるのです。

ギリギリにならないと動けない理由

仕事は「早く始めて、早く終える」ことが理想ですが、現実的には、それほどうまくはいきません。小学生の頃の夏休みの宿題と同じように、期限ギリギリになって、ようやく重い腰を上げる人がほとんどではないでしょうか?

こうした行動パターンは、老若男女や洋の東西を問わず、誰にでも共通しているようですが、そのメカニズムは心理学によって解明されています。明確な期限が設定されていると、人間には2つの心理的なバイアス(偏り)が働くといわれています。

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