常識破り「国策半導体ラピダス」成功に必要なこと 日本の産業界復活を担うことができるか

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かつて日本の半導体産業は高い競争力を誇っていたが、その後、力をつけた韓国や台湾など海外メーカーとの競争に敗れて最先端の開発から撤退する中で、生産技術や必要な人材が不足している。

このため、ラピダスは欧米の企業や研究機関と連携しながらすでに周回遅れともいわれる海外メーカーとの差を少しでも埋めていきたいとしている。

人材、情報、経験不足をどう補うか

さらに半導体産業は、巨額の設備投資を継続的に行う必要があるため、相当な覚悟が必要だ。日本政府はこれまでにラピダスに対して3300億円の支援を決めたほか、今後も継続的な支援に取り組むとしているが、そのためにはラピダスを非難するのではなく、応援することが重要だ。

同社は人材不足、情報不足、経験不足などの課題は多々あるが、日本の半導体復権の最後の砦である。あらゆる支援を行い盛り立てる姿勢が産業界には必要だ。

日本の技術は世界と10年以上の差があるのも事実で、2ナノの半導体を日本の技術者や会社だけで実現することは無理だろう。しかし、先端半導体技術を日本で持つことは、どの産業を育てるより必要なことである。

世界の優秀な人材と協力することで、後れを取った技術をキャッチアップできるチームにしていく必要がある。日本には最先端を知っている技術者がほとんどいないため、とにかく学べるものは貪欲に学ぶことが最初のフェーズでは非常に重要になってくる。

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南川 明 インフォーマインテリジェンス シニアコンサルティングディレクター

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みなみかわ・あきら / Akira Minamikawa

1982年武蔵工業大学電気工学科卒。90年以降、世界の電子機器・半導体を中心にエレクトロニクス市場の分析・予測に従事。現在はInforma TechのリサーチブランドOmdiaに所属。調査・コンサルティングの傍ら、国内外で講演、TV出演なども行う。Omdia公式アカウントで活動を発信中:https://twitter.com/Omdia_Japan

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