豊臣秀頼が「徳川家康に臣従しなかった」裏事情 二条城会見での家康の行動から謎を解き明かす

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このことについても「三カ条の法令については、秀頼を臣従させるのが目的ではなく、全国の諸大名を臣従させるのが目的であった。そうすることによって、秀頼は間違いなく孤立する。婉曲的な方法ではあるが、効果は高かったと考えられる。ここにも秀頼を孤立させようとする、家康の周到な準備があった」との指摘もある。

臣従を余儀なくされたのではない

とはいえ、こう指摘する研究者でも「秀頼は別格であり、諸大名との扱いと異なる」との見解には「賛成」と述べている。

よって私は、二条城会見でもって、秀頼が家康に「臣従化を余儀なくされた」との理解は当たらないと考えている。

もちろん、そのことと、秀頼の孤立が深まろうとしていることとは別問題である。

(主要参考文献一覧)
・笠谷和比古『徳川家康』(ミネルヴァ書房、2016)
・藤井讓治『徳川家康』(吉川弘文館、2020)
・本多隆成『徳川家康の決断』(中央公論新社、2022)

濱田 浩一郎 歴史学者、作家、評論家

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はまだ こういちろう / Koichiro Hamada

1983年大阪生まれ、兵庫県相生市出身。2006年皇學館大学文学部卒業、2011年皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。専門は日本中世史。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員、姫路日ノ本短期大学講師、姫路獨協大学講師を歴任。『播磨赤松一族』(KADOKAWA)、『あの名将たちの狂気の謎』(KADOKAWA)、『北条義時』(星海社)、『家康クライシスー天下人の危機回避術ー』(ワニブックス)など著書多数

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