「アジアで取り残される」日本映画が直面する現実 韓国映画界トップが日本の映画の未来を危惧

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参加している国(機関)は、韓国(KOFIC)、台湾(TAICCA)、シンガポール(SFC)、インドネシア(BPI)、フィリピン(FDCP)、マレーシア(FINAS)、モンゴル(MNFC)。それぞれの国の文化または映像・映画に関する公的機関が参画した。

これまでアジア共同映画制作ファンドが設立されたほか、世界的に影響力を強めるグローバルプラットフォームへのアジア映画界としての対応や、グルーバル映画制作のための国際人材育成に関して、具体的な議論が進んでいるという。

すでに2回のシンポジウムが行われ、11月にはマニラで3回目が開催される。

日本へ参加を促すも連絡が途絶える

パク委員長によると、日本が不参加の理由は、7カ国のような国公立の映像機関がなく、窓口となるカウンターパートナーがいないことにより、連携が取れなかったことだ。

事前に日本に参加を求めるため、文化庁やユニジャパン(日本映像コンテンツの海外展開支援を担う公益財団法人。東京国際映画祭を開催)にアプローチしたが、担当部署がわからないままやりとりが途絶えていたとする。

パク委員長は「いまはOTT(ネットを経由した動画配信サービス)の作品が1日にして全世界に拡散します。それに対して映画界は、グローバルに向けた作品の企画、制作が必要であり、同時に若い人たちへのグローバルストーリーテリングの教育が急がれます」とし、そのための施策として「アジアが一体となって国際的な共同制作の枠組みを作っていくことが1つの対策になり、AFANはアジアの映画界がさまざまな協力を通してともに成長していくことを目的にします。アジア映画界の世界への飛躍のために必要な連携です」とアライアンスの意義を説く。

韓国映画 日本映画
KOFIC(韓国映画振興委員会)のパク・キヨン委員長(左)とaction4cinemaの共同代表を務める諏訪敦彦監督(写真:筆者撮影)

韓国のKOFIC、フランスのCNC(国立映画映像センター)の日本版設立を求めて2022年から活動するaction4cinemaの共同代表であり、釜山国際映画祭の教育プログラム「アジア映画アカデミー」校長を務める諏訪監督は、AFANの日本不参加について「日本が入っていないことが不思議。とても驚きました」と胸中を明かす。

そして、窓口がないために連携ができなかった日本の現状について「国外に対して、窓口が明確になっていることは重要です。外から見ると、どことどうコンタクトを取ればいいかわからない。日本がそういう状況にあることを痛感しました」と声を落とす。

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