ライオンズ「"正しく走る"トレーニング」驚く全貌 陸上選手と野球選手「走り方の決定的違い」は?

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前述したように、地面を強く蹴りすぎたり、接地時間が長くなりすぎたりすると、体に負担のかかる走り方になりやすい。つまり、故障のリスクも高くなる

ともに40歳を迎えて現役を続ける中村と栗山は、正しく走れているから長くプレーできているとも言えるわけだ。

スポーツ選手は「走る」という行為から、多くを学ぶことができる。だからこそ秋本氏は、るトレーニングを通じてさまざまなことを吸収してほしいと願っている。

ファーム降格中だった隅田知一郎投手(右)は秋本コーチ(左)に熱心に質問(筆者撮影)

飛躍のカギは、正しく「走る」こと

「体の使い方や、速く走るために力を一瞬でどう使えばいいのかなどは、バッティングやピッチング、ボールを蹴る動作にも生きてくることです。選手たちが走り方を学習し、自分の行っているスポーツの本職がすごくよくなったと思ってもらいたいですね。

自分ができないことをできるように変えていくうえで、『走る』ってすごくわかりやすいことです。

例えば、ライオンズの隅田知一郎投手は坂道ダッシュで『僕が前屈するのはクセですよね』と言っていたけど、『そうです。クセがあるということは、クセがつくまでそのフォームでやり続けたからじゃないですか。そう考えると、新しいやり方でやり続ければ、いくらでも良い方向に直せますよね』という話をしました。僕は本当にそう思っているので」

走るトレーニングを通じ、西武の選手たちは何を学んでいくのか

秋本氏が伝える真髄をモノにできれば、選手として大きく羽ばたいていける可能性がある。

*1回目の記事:「西武ライオンズ『若手の伸び悩み』解消する新挑戦」

*2回目の記事:「西武ライオンズ『獅考トレーニング』驚きの全貌」

*3回目の記事:「西武ライオンズ『若手の"やる気"に頼らない研修』の裏側」

中島 大輔 スポーツライター

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なかじま だいすけ / Daisuke Nakajima

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。2005年夏、セルティックに移籍した中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に野球界の根深い構造問題を描いた「野球消滅」。「中南米野球はなぜ強いのか」(亜紀書房)で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。NewsPicksのスポーツ記事を担当。文春野球で西武の監督代行を務める。

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